未曽有の感染爆発となった新型コロナウイルスの「第6波」。県内の1月からの累計感染者数は4万9千人を超えた。高齢者施設でのクラスター(感染者集団)が相次ぎ、高齢の死者が目立つ。背景には何があったのか。県のデータを検証し、取材を進めると、ワクチン接種の遅れや施設での対策の難しさが浮かび上がってきた。

 1月からの第6波でコロナに感染し、亡くなったのは101人(23日時点)。このうち94人が60代以上で、9割以上を占める。昨年7~9月の第5波では60代以上の死者数は16人で、約6倍に上る。

 第6波の感染爆発を生んだオミクロン株は感染力が強いものの、第5波のデルタ株よりも重症化しにくいとされた。データでも、第5波の全体の重症化率1.30%に対し、第6波は0.09%に下がっており、デルタ株より重症化しにくいことがうかがえる。

 ただ、第6波の重症化率は、50代以下の0.03%に対し、60代以上は0.47%と開きがある。高齢者の重症化率はデルタ株同様、若い世代に比べて高く、感染者数の増加に伴い高齢者の死者も増えたとみられる。

 また、第6波での60代以上の致死率は1.43%で、重症化率(0.47%)を上回っていた。コロナ感染で亡くなる場合、通常は集中治療室(ICU)に入室か人工呼吸器が必要といった「重症」化を経ることが多い。なぜ数字が逆転しているのか。

 前橋赤十字病院(前橋市)の林俊誠・感染症内科副部長は二つの可能性を示唆する。「一つ目は、病床の逼迫(ひっぱく)で入院できなかった高齢患者がいたことで『重症』の定義にさえ至らず亡くなっている可能性。二つ目は、ICUや人工呼吸器の医学的な適応になりづらい患者の感染、例えば高齢者施設でのクラスターが多かった可能性がある」と説明する。

県内新規陽性582人

 新型コロナウイルス感染症で、県と前橋、高崎両市は26日、新たに10歳未満~90歳以上の582人の陽性が判明したと発表した。県内の感染確認は累計6万7044人(うち279人死亡)となった。

 県は3月23日発表の新規陽性者を1人取り下げて695人に、同24日も1人取り下げて604人にそれぞれ修正した。