「製造装置のわずかな傷や劣化が、樹脂の品質に影響を与えてしまう」と語る神戸さん

 ケミカルサイエンスとフードサイエンスの二つの技術を柱に、独創的な製品を開発する群栄化学工業(高崎市宿大類町)。1946年にブドウ糖生産の「群馬栄養薬品」として誕生し、現在はスマートフォンや液晶テレビの製造に欠かせない電子材料用途のフェノール樹脂に強みを持つ。

■仕事内容

 製造本部品質管理課の神戸輝さん(27)は、製造した樹脂に微量に含まれる金属含有量の測定業務を担当する。IT化が進み、半導体といった電子部品の製造工程で求められる樹脂の品質はかつてなく高まっている。

 神戸さんは10億分の1に当たる「ppb」単位で樹脂成分を分析し、想定用途に合った品質を担保する。「わずかな金属成分が電気機器に影響を与える。問題発生時に原因を突き詰め、改善するときのやりがいは大きい」と話す。

■キャリアアップ

 理系・文系にかかわらず、新卒は総合職として一括採用する。入社後の1年は研修期間。最初の3週間は座学で自社製品やビジネスマナーなどについて学び、その後は開発や管理、営業といった各部署で職場内研修(OJT)を行い、7月以降は土台となる製造の仕事を学ぶ(現在はコロナ下のため、製造現場の研修は実施せず)。2年目から本配属となる。

 「若手に多くの部署で経験を積んでほしい」という考えの下、3~5年で異動となることが多い。ビジネスマナーや語学、パソコンスキルなどの通信教育も充実し、半額から全額の費用を会社が補助する。

■就活ポイント

 新潟県内で大学生活を過ごした神戸さんは(1)専攻した化学の知識が生かせる(2)群馬県内で働ける―の2点を念頭に就職活動をした。「就活を始めたのは周りよりも遅かったと思うが、初めから候補をある程度絞ったことで企業研究などの準備が効率的にできた」と振り返る。

 面接試験では「小手先の知識は必ずボロが出る」と考え、自らの志望や状況についてありのままを話すことを心掛けたという。

かんべ・ひかる 藤岡市出身。群馬高専―長岡技術科学大卒。2017年に入社し、18年4月に製造技術課配属。21年4月から現所属。高崎市在住

神戸さんの1日

5:30 起床。朝食や弁当の準備
8:30 出社。メールチェックや派遣社員への指示
9:30 打ち合わせなど
12:00 昼休憩。コロナ下の現在は自席で弁当を食べることが多い
12:50 昼礼の後、機器の状態確認や測定サンプルの依頼対応など
15:00 測定結果のまとめ、製造現場に出す指示書の作成など
17:05 トラブルがなければ退社
19:00 買い物などを終えて帰宅
19:30 夕食
20:00 1時間ほどゆっくり入浴
21:00 SNSチェックや動画鑑賞など
23:00 就寝

企業データ

▽設立 1946年1月23日
▽従業員数 332人(2021年3月末時点)
▽売上高 251億9400万円(21年3月期連結)
▽新卒採用数 11人(21年4月実績)
▽初任給
 大学院卒 22万6300円
 大卒   20万6300円