▼高崎長野小の南側に小さな農業用貯水池がある。土手には20本ほどのソメイヨシノが植えられ、水面に映るサクラを見ながら散策できる気持ちの良いスポットだ

 ▼2016年、満開のサクラの下で「桜まつり」が開かれた。南新波町町内会、美土里ネット南新波町推進協議会、住民グループ「南友会」が、住民同士が交流できる場をつくろうと、植樹30周年に合わせて企画。ステージでは愛好者がカラオケなどを披露した

 ▼まつりは、その年以降も継続。経費分担や寄付の呼び掛け、アトラクションの企画、出演依頼、会場設営といったさまざまな準備は、回を重ねるごとにスムーズになった

 ▼だが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、5回目以降は開催していない。第6波のさなかでの準備はリスクが大きいとして、今年も断念。「培ったノウハウが失われれば、復活には相当の意欲とエネルギーが必要になる。存続の危機だ」と関係者は嘆く

 ▼桜まつりだけではない。長く続いてきた伝統行事も、多くは中止せざるを得なかった。同町に限らず同じような対応を迫られ、危機感を抱いている人は少なくないだろう

 ▼少子化や核家族化で地域の人間関係が薄れつつある中、イベントや伝統行事は住民が顔を合わせ、いざという時に頼れる関係を築くきっかけとなる。桜まつりも、その他の伝統行事も、早く例年通りに開催できることを願う。