2022年春闘で県内各企業の回答が、31日までに出そろった。新型コロナウイルス禍で先行きが見通せない中、政府の賃上げ要請などを背景に自動車など大手企業で賃上げに踏み切る動きが多かった一方、業績低迷が続く業界ではベースアップ(ベア)を見送った企業もあり、明暗が分かれた。

 太田市、大泉町に生産拠点を置く自動車製造のSUBARU(スバル)は要求した平均月額6400円に対して満額回答。年間一時金(ボーナス)は5.4カ月分の要求に対し、5.2カ月(前年同額)の回答だった。

 同社は世界的な半導体不足により、主力工場での生産調整が続いているが、「厳しい中でも経営としては現在できる最大限の回答」とした。

 同市内に工場がある日野自動車は、要求額7500円に対する回答が総額4250円(前年4500円)。ボーナスは5.0カ月分プラス10万円(同4.8カ月分)だった。高崎市や富岡市に拠点を持つ沖電気工業(OKI)は、前年の1000円を上回る1500円のベアで妥結した。

 富士機械(前橋市)も昨年を上回る回答となった。総務部担当者は「コロナの影響や半導体不足などで経営環境は依然厳しいが、労使一体で経営効率化を図ってきた成果」と説明する。

 大手を中心に高水準の回答があった一方で、コロナの影響を強く受ける県内鉄道業界では、厳しい回答も。子会社が観光バスやタクシーも運行する上信電鉄(高崎市)はベアを見送った。ボーナスについては夏季は前年の水準を維持し、冬季は別途協議するとした。

 県経営者協会は「原材料価格が高騰する中、中小企業の多くが価格に転嫁できていない」と指摘。群馬経済研究所は企業の成長に人材が欠かせないとの考えから、今後も賃上げの流れは強まるとしながらも、「中小の業種によってはコロナからの回復が遅れ、事業継続や雇用維持を優先する企業もあるだろう」としている。

 連合群馬によると、コロナ下の経済回復や政府の賃上げ要請を受け、今年は全体的な傾向として要求・回答額ともに昨年を上回る企業が多い印象だという。担当者は「3月末を回答期限とする会社が多いが、遅いところでは6月ごろまでかかる見通し」としている。