新年度を迎えて入学や就職など人の動きが活発化する中、群馬県内でも新型コロナウイルス感染症が再拡大(リバウンド)の兆候を見せている。感染力がより強いとされるオミクロン株の派生型「BA・2系統」が徐々に増えていることが背景にあるとみられる。県は感染再拡大に警戒感を募らせており、基本的な感染対策の徹底や、ワクチンの追加接種を呼び掛けている。

 「予断を許さない状況。アジア、欧米の状況や、BA・2に置き換わっていくタイミングなどを考慮すると、(5月の大型)連休前に急拡大が起こってもおかしくない」。山本一太知事は31日の定例会見でこう述べ、警戒感をにじませた。

 県によると、31日までの1週間の新規感染(陽性)者数の平均は573人で、前週(510人)の1.12倍に。29~1日の1日の新規感染者数は4日連続で前週の同じ曜日を上回った。まん延防止等重点措置が22日から解除されたことや、年度替わりで人の往来が活発になっていることも一因とみられる。

 全国でも兆候は表れている。厚生労働省に対策を助言する専門家組織が30日に示した資料では、全国の新規感染者数は29日までの1週間で前週の1.04倍となり、37都道府県で増加に転じた。懸念されているのがBA・2系統への置き換わり。BA・1系統と比べ、入院・重症化リスクに関する差はみられないものの、感染者1人が全感染期間に感染させる人数の平均値を表す「実効再生産数」が26%高いとの報告がある。

 県内の状況について、県衛生環境研究所がゲノム解析した検体の変異株の割合を月別で見ると、1月はデルタ株が23.4%、BA・1が76.0%、BA・2が0.6%。2月に97.5%だったBA・1は3月には79.3%に下がり、BA・2が20%を超えている。同研究所は「県内でもBA・2系統への置き換わりが進むと感染者数が増える恐れがある」とみる。

 県感染症・がん疾病対策課は「新たな変異株にも不織布マスクの着用、手洗い、換気など基本的な対策とワクチンの追加接種が有効。飲食や普段会わない人と接する時には特に注意をお願いしたい」とした。