多くの人が行き交う伊香保温泉石段街=2日午後2時ごろ

 新型コロナウイルス感染症の影響で苦境にある観光業を支援する群馬県事業「愛郷ぐんまプロジェクト」第4弾が始まって初の週末となった2日、県内温泉地では宿泊補助を利用して観光を楽しむ人の姿が目立った。今回は茨城、埼玉、千葉、新潟、山梨の5県の県民も始めから補助対象となっており、関係者は県外からの来訪にも期待を寄せる。一方、県外利用者は新型コロナワクチンの3回目接種などが補助要件になっているためか、にぎわいがいまひとつの温泉地もあり、今後の盛り上がりを期待した。

 渋川市の伊香保温泉石段街は親子連れなどでにぎわい、午後2時ごろには満車となる周辺駐車場が相次いだ。埼玉県から妻と長女と訪れた男性(46)は「愛郷」を利用。久しぶりの遠出だといい、市が「愛郷」の利用者へ配布するクーポンで温泉まんじゅうを買い、家族で頬張った。

 「愛郷」は、県民は3回目接種か検査の陰性を証明できれば5000円、未接種でも3000円の補助を受けられるが、県外利用者は3回目接種か陰性証明が必須条件となっている。

 同温泉の旅館「いかほ秀水園」では3月中旬以降、学生や家族連れが増加傾向にあるという。近県からの宿泊客に「愛郷」を案内をしているが、3回目未接種で利用できない客が多いという。高尾由希子社長は「愛郷が利用できるようになり、じゃあ行こうとなってくれる客層がいればうれしい」と話す。

 「湯畑周辺は相当なにぎわい。春休みによる人出に、愛郷効果が上乗せされているようだ」と話すのは草津温泉観光協会(草津町)の担当者。県外客の割合が高い同温泉にとって「愛郷の対象者が県外にも広がったことは追い風」とし、宿泊者増へ期待を寄せる。

 一方で、観光客の動きが鈍い温泉地も。磯部観光温泉旅館協同組合(安中市)の桜井太作組合長によると磯部温泉は「前回の愛郷よりも出だしが遅い印象」という。ただ、平日は空き部屋があるものの休日の予約はどの旅館も埋まってきており、暖かさの訪れとともに戻る客足に、「愛郷」の効果がプラスされることを期待する。

 温泉旅館「法師温泉長寿館」(みなかみ町)も平日の予約状況はいまひとつ。岡村国男常務(73)は「愛郷で宿泊者が増えるのはこれからだと思う」と冷静に受け止め、客足の回復を待ち望んだ。

>>「愛郷ぐんまプロジェクト」関連記事はこちらから