中国人の死者をしのび、平和への思いを新たにする参加者

 戦時中に労働力として日本に強制連行されて死亡した中国人の慰霊祭が3日、太田市西長岡町の長岡寺(ちょうこうじ)で開かれた。1953年から毎年開く慰霊祭は今年で70回目となった。主催する日本中国友好協会県連合会(羽鳥知容会長)のメンバーや地域住民ら約40人が参加し、死者をしのんで平和への思いを新たにした。

 同会によると、第2次世界大戦末期の44~45年、約4万人の中国人が日本各地に強制連行された。強戸村(現太田市)では45年4月から、旧中島飛行機の地下工場建設工事に276人が従事した。労働の過酷さにより、終戦までの4カ月間に病気などで50人が亡くなったとされる。

 同寺はこれらの人々の遺骨を引き取って供養し、後に遺骨を中国に返還した。同会は53年から毎年慰霊祭を開き、77年に慰霊碑も建立した。

 70回の節目を迎えた慰霊祭では、酒井晃洋住職が読経し、参加者が焼香して静かに手を合わせた。羽鳥会長は強制連行の歴史について「慰霊祭を通じて、地域の人や次世代につなげる役割を果たせていると思う」と話した。

 長年強制連行事件の補償問題などに取り組む弁護士で、同会理事長の広田繁雄さんは、ロシアのウクライナ侵攻に触れ「武力行使はさらなる武力を呼ぶ。戦争反対を訴えつつ、国際社会における日本の正しい立場を考えていかければならない」と強調した。