▼先月下旬、車を運転していてランドセルを背負った男の子が目に留まった。一緒にいるのは母親と弟だろうか。春休み中だったから「おや?」と思ったが、すぐに分かった。入学を前に登校の練習をしているのだろう

 ▼ピンと手を挙げて横断歩道を渡り切ると、歩道を駆け足でぐんぐん進んでいく。初めての学校生活にわくわくしている気持ちが小さな体からあふれ出ているよう。愛らしい姿を思わず目で追ってしまった

 ▼子どもが元気よく登校し、無事に帰宅する。家族にとって何よりの願いである。気がかりなのは、毎日行き来する通学路に危険が潜んでいるかもしれないことだ

 ▼千葉県八街市で昨年6月、下校中の児童の列に飲酒運転のトラックが突っ込み、5人が死傷した。事故を受けて全国一斉に小学校の通学路を点検したところ、県内では対策が必要な危険箇所が1039カ所見つかった

 ▼歩道を広げたり、ガードレールや信号機を設けたり、子どもを事故から守る手だてを急ぎたい。道路を横断しているときや、飛び出しが原因の事故が多いことを踏まえれば、家庭や学校で改めて交通ルールを教えることも必要だ

 ▼新学期が始まる。朝の通学路には色とりどりのランドセルが戻ってくる。子どもたちの安全は地域のみんなで目を配りたい。登下校の見守り活動に参加したり、安全運転を徹底したり、できることはいろいろある。