充電中のEVを見かける機会は県内でも増えている=3月、玉村町

 群馬県県内の電気自動車(EV)登録台数は2021年3月末で2470台に上り、現在と同じ方法で集計を取り始めた15年から2倍以上に増えた。一方で本格普及に不可欠な充電スタンドは微増にとどまっている。県は30年までに温室効果ガス排出量を13年比で半減する目標を掲げており、EVはさらなる増加が見込まれる。EV所有者らは「本格的な普及に備えて充電インフラの充実を」と訴える。

 3月中旬の午後、道の駅玉村宿(玉村町)併設の米テスラ車専用充電スタンド「高崎スーパーチャージャー」では3台が並んで充電していた。「普段は自宅で充電するが、明日は金沢までドライブするので来た」と話すのは埼玉県本庄市の会社顧問、田島敏包さん(74)。「最近は地方都市でスタンドが増え、利便性は以前より高まっている」と受け止める。ロシアのウクライナ侵攻などでガソリンが値上がりしていることを挙げ、「テスラ車は千円程度のフル充電で400~500キロ走る。環境や維持費を考えれば、EV転換が進むのは間違いない」と力説した。

 「近所なのでよく充電に来る」と話した町内に住む30代の農業男性は「スタンドはまだまだ少ない。せめて北毛、中毛、西毛、東毛に満遍なくあれば」と希望する。長野県から神奈川県に向かう途中に立ち寄った20代男性は「充電には30分から1時間かかる。EVが普及すればスタンドが足らず『充電するための列に並ぶ』という状況が起こりかねない」と指摘した。

 県によると、県内のEV登録台数は集計を始めた15年3月は1110台だったが、21年3月までに2470台に増えた。一方で、充電スタンドは17年3月の401拠点523基から22年1月の468拠点565基で、5年間で1割増程度と伸び悩む。

 担当者は「このままEV普及が進めば、スタンドが足りなくなるのは分かっている」と懸念する。現在は幹線道路沿いでの設置が主流だというが、住宅街や大型商業施設などへの設置を事業者らに促していく方針だ。