みどり市内産木材をふんだんに使用した笠懸西小。開校直前の3月、児童と父母らが見学した

 笠懸、大間々、勢多東の3町村の合併でみどり市が誕生してから、3月で16年がたった。市としての一体感が徐々に醸成される一方で、東、大間々両地区は人口減が著しい。地域振興の柱として期待された観光業も新型コロナウイルス感染拡大が影を落とし、出口が見えない重苦しさが漂う。

 今春、市内の各校は計379人の新入学児童を迎えた。最も多いのは笠懸小の71人、次いで笠懸小から分離した笠懸西小が70人。最少は義務教育学校としてスタートしたあずま小中学校の2人だ。市が誕生した2006年に比べて、本年度は小学校で3校減の7校、中学校は1校減の4校となった。あずま小と東中は小中一貫の義務教育学校に移行した。

 人口減はひたひたと忍び寄る。過疎法に基づく指定地域に「旧大間々町」が本年度初めて指定された。それを裏付けるように学校数の減少が進む。

 新市誕生以降、神梅小、福岡西小、福岡中央小を廃校として、いずれも大間々北小に統合した。大間々南小は現在、全学年が単学級で、本年度の新入学児童は20人と市内小学校7校で最も少ない。

 市教委が21年度に立てた児童生徒数予測では、今後6年間で17.7%減となると推計している。学校別では新たに大間々北小で全学年が単学級化するほか、大間々中も1年生が単学級となる可能性が高い。学校規模の適正化の推進は避けて通れない。

 加えて、学校給食は自校方式の笠懸地区とセンター方式の大間々、東地区が併存する。合併時、今後の給食提供方式は継続案件とした経緯がある。しかし、自校方式の笠懸地区の小中学校は給食施設の老朽化が著しい。小中学校の統廃合や給食提供方式は旧町村区域を原則として行ってきたが、市域全体を見渡し、長期的な視点での決断が求められる。

 観光施設に関しても「選択と集中」が課題だ。

 同市はわたらせ渓谷鉄道に沿って観光施設が分散する。富弘美術館、コノドント館、岩宿博物館には市職員を配置。そんな中で東地区の市営の「陶器と良寛書の館」が昨春閉館した。

 また、国民宿舎サンレイク草木は指定管理者が決まらず、一時休館せざるを得なかった。小平の里、浅原体験村なども指定管理制度を導入している。旧町村から引き継いだ「遺産」を全て継続、発展させることが困難な時代になった。