日航機墜落事故で逝った脳研究者、塚原仲晃(1933~85年)。「わが国の偉大な脳神経科学者」は、脳研究の究極な目的を「心の働きを科学的に解明すること」と捉え、神経細胞が秘めた可塑性(柔軟性)から、人の記憶や学習の仕組みを解き明かそうとしていた。その知見は、現在隆盛の人工知能(AI)にも及ぶとされる。御巣鷹の尾根(群馬県上野村)に散った科学者を起点に、脳やこころ、現代社会の行方を追う。