おにぎり店、ソフト製作… 学生起業 機運高く 県や産・学も後押し
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 県内で学生による起業が相次いでいる。創業スクールや起業プランを競うコンテストへの学生の応募も急増。若者の起業によって新たな雇用機会が増えれば地域の活性化につながるとして、県なども創業機運を高める事業を展開し後押しする。副業など個人の能力を生かしたビジネスが注目されるようになり、起業を身近に感じる若者が増えていると分析する専門家もおり、学生起業は今後さらに増えそうだ。  「リスクがあっても自分で仕事をつくって楽しく働きたい」。高崎経済大4年の城所周さん(22)はおにぎり製造販売「をむすび屋ぴかり」を2019年12月、前橋市関根町に開業した。  おにぎり店にしたのは一人でも運営がしやすく、群馬大に近い立地で学生需要を見込めるから。競合する学食やコンビニと差別化するため「肉みそキャベツ」など具材を手料理する。月30万円の堅実な売り上げ目標を掲げ、法人化など次の展開もにらむ。  城所さんの起業は他の学生を刺激する。在学中の起業を考える群馬高専の一倉弘毅さん(20)は「会社員は組織の中に埋もれる懸念がある。起業の進め方を直接学びたい」と店を手伝う。店舗の陳列棚を製作した前橋工科大4年の石川光希さん(22)は「建築設計アトリエをつくって独立したいので刺激になる」と話す。  ソフトウエア製作を手掛ける「グッドフォー」(伊勢崎市宮子町)を18年11月に開業した前橋工科大大学院1年の吉江勇亮さん(23)は「自分の力で稼ぐことに興味があり、プログラミングで挑戦したかった」と説明。黒字経営ができているという。高崎経済大4年の桜井蓮さん(22)は昆虫食を販売する「フューチャーノート」を19年7月に設立しコオロギ入りゴーフレットが人気となっている。  “予備軍”も増える。起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード(GIA)」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)では大学生・専門学校生の応募が19年に109件と前年の2・7倍になった。  東和銀行と県内3大学が開く創業スクールは、3年間の受講者計88人のうち27人が学生。同行は「社会人に交じって参加する学生の起業意欲は高い」とする。  県は15年度から大学や高校で経営者が講演する創業者創出ミーティングを展開。県商政課は「若いときから経営者の道を選択肢に加えてもらえれば」とする。  関東学園大経営学部の中谷淳一准教授(同大地方創生研究所研究員)は「副業やフリーランスで稼ぐ人が注目され、自分の力でやりたいと考える学生が増えてきた。社会経験がない分、斬新な発想で事業が生まれ、若い人が次々と集まって地域を活性化させる可能性がある」と指摘する。

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