雇用助成329億円 昨年5月以降 財源不足 懸念も 群馬労働局
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 休業手当の一部を国が補塡(ほてん)する雇用調整助成金と緊急雇用安定助成金について、新型コロナウイルスの影響が出始めた昨年5月以降に県内事業者から支給申請された件数が今月22日時点で計3万2317件に上り、支給決定額が329億円に達していることが群馬労働局の集計で分かった。上限額の引き上げや支給要件の緩和といった特例措置の期限が延長される見通しで、今後も申請は増えることが予想される。全国では支給決定額が既に2兆6千億円と想定を大幅に上回っており、財源不足となる懸念も生じている。

 雇用調整助成金は雇用保険に加入する労働者に企業が支払った休業手当を補助する制度。緊急雇用安定助成金は学生アルバイトや技能実習生など雇用保険に加入していない労働者に支払った休業手当を補助する制度。群馬労働局の集計によると、昨年6月以降は二つの助成金に対し、毎月計2千件以上の申請があった。
 雇用調整助成金は本年度、コロナ禍を受けた特例措置として期間限定で助成率や日額上限が引き上げられたほか、支給要件も緩和されている。緊急雇用安定助成金は昨年4月に追加で設けられ、雇用調整助成金と同程度の助成内容となっている。
 政府は新型コロナの影響を受ける労働者を支援するため昨年7月に「新型コロナ対応休業支援金・給付金」の受付も開始した。休業させられたにも関わらず休業手当が支払われなかった労働者に支給する仕組みで、労働者自身が申請する。同労働局によると、県内の事業所で働く労働者から今月18日までに1万1574件の申請があり、支給決定額は6億4千万円に上っている。
 雇用調整助成金と緊急雇用安定助成金、新型コロナ対応休業支援金・給付金の三つの助成制度を巡っては、特例措置の期間を緊急事態宣言が全国で解除された月の翌月末まで延長する方針が示されている。
 同労働局によると、昨年度に受け付けた雇用調整助成金の申請件数は80件程度だった。要件緩和などの特例措置がなかったことに加え、経済政策アベノミクスなどによる好景気で助成金を利用する事業者が少なかったとみられる。
 雇用調整助成金は2008年のリーマン・ショック後にも、雇用維持制度として追加支援策の「中小企業緊急雇用安定助成金」と合わせて利用されていた。同ショックの影響が残る09年度の県内の支給決定件数は計1万2千件余りだったという。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連キーワード
関連記事