《震動 サンデン 中国傘下へ(下)波及》不安募る取引先  雇用や拠点 維持焦点
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 25社以上にスポンサーの検討を打診し、数社から反応を得た。うち何社かが意欲を示して調査したが、最終的に出資の考えを表明したのは、中国のハイセンス(海信集団)のみだった―。
 サンデンホールディングス(HD、伊勢崎市)が1日公表した資料。行間からは、昨年6月末に私的整理の一種「事業再生ADR」を申請してから、ハイセンスの傘下入りが決まるまでの曲折が伝わってくる。
 同日のニュースリリースは、両者の融合で「空調制御をより高度化した統合熱マネジメントシステムを提供」することや、原材料や電子部品の共同調達に臨んでいくなどと記す。一方、サンデンHDがこれまで築いてきた地元のサプライヤー(部品供給企業)との今後の関係性について、具体的な記述はなかった。
 製造業の中でも自動車産業はとりわけ関連企業が多く、裾野が広い。「巨大市場を狙えるようになるのはメリットだが、議決権75%を握られる意味は大きい。技術を取られ、県内の拠点や雇用に影響が出ないか」(県幹部)との見方もある。
 緒に就いた元請けの再建に、関係者の思いも多様だ。「サンデンさんの仕事をやっているところほど、専用のラインは多い。先方の調子が悪くったって、そんなに簡単に取引先は変えられないんだよ」
 県内で半世紀以上、サンデンHDが手掛けるカーエアコン用コンプレッサーの部品を作る企業の男性経営者は語る。口ぶりからは、両者が表裏一体の関係であることがうかがえた。新型コロナウイルスの影響で入る情報量が減ったこともあり、再建相手の話は聞こえてこなかったという。「(手を組むなら)日本企業かと思っていたけどね」
 中国企業は勢いがある。一方で、経営意識はシビアではないかと思いを巡らせながら、「悪い風に考えても仕方ない。すぐに(サンデンの)拠点を閉鎖することも、恐らくないだろう」とうなずいた。
 「正直どうなるか分からない。協力企業に仕事が回ってきたり、地元を盛り上げてくれれば良いけど」。県央地域の取引先企業の男性経営者は、サンデン側から明確な説明がないとして不安を募らせる。「地元企業に社長が自分の言葉で将来を語って」と願う。
 金融機関勤務の際に中国駐在の経験があり、野村証券シニア・アドバイザーなども勤めた上武大の小関広洋教授(経営学)は、自動車産業はIT化などで変革期にあるとして、サンデンHDがハイセンスを選んだ点を評価する。「焦点は、相手とウィンウィンの関係をつくり、国内で培った技術や雇用を守れるか。日本企業として矜持(きょうじ)の見せどころになる」と話した。

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