ベア前年超え相次ぐ 春闘 県内中小に波及期待
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 2018年春闘は14日、集中回答日を迎え、自動車、電機など大手企業の経営側が5年連続のベースアップ(ベア)を実施すると労働組合に相次いで回答した。県内に生産拠点を持つSUBARU(スバル)やOKI(沖電気工業)をはじめ、好業績を背景に軒並み前年超えの水準。家庭と仕事の両立支援、長時間労働の是正など働き方改革の取り組みも前進した。賃上げは中小企業への波及が期待され、県内では大手の対応を評価する声が上がった。(関連記事 8面)

 スバルは前年より200円多い月額1300円のベア実施を労組に回答。工場職場の係長に支給している役職給(1万円)の対象者も拡大する。ボーナスは6カ月で労組の要求に対して満額回答。これにより、同社組合員は年収ベースで2%弱の賃上げになる。

 太田市に工場がある日野自動車は、前年の1400円を上回る2200円のベアで決着。ボーナスは5・96カ月相当とし、要求額以上の回答を示した。高崎、富岡両市に拠点がある沖電気工業は月額3千円の要求に対し、前年実績の1千円を超える1500円のベアで妥結。ボーナスは4・3カ月分となる。

 県内経済界からは、今回の回答を前向きに評価する声が出た。県経営者協会の樋口俊之専務理事は「賃上げの要請には相応に応えたのではないか」と指摘し、群馬経済研究所も「大手がいい回答をしないと中小も回答しにくい流れがあるため、いい傾向だ」とした。

 一方、今後本格化する中小企業の交渉では、経営体力以上の賃上げを迫られる懸念もある。

 中小の加盟が多い産業別労組の県組織は、中小は人材獲得の厳しさに加えて流出の危機に直面していると分析。「賃上げを渋れば労働者の失望感は強まる」と説明し、加盟労組に強気の交渉を促している。太田市の自動車部品加工会社の社長は「経営面を考えると厳しいが、雇用を確保できない」とベアを実施する意向だ。

 「働き方改革」も今回の春闘のテーマ。別の産別労組の県組織には、春闘を前に加盟労組から「休日増加を求めるにはどう交渉したらいいか」との相談が複数寄せられたという。

 連合群馬によると、県内の主要企業の春闘は22日までに回答がほぼ出そろう見込み。中小は大手の動向を見極めようとする傾向から、回答はさみだれ式に4月以降も続く見通しだ。

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