《オピニオン1000 主張》新入社員へ 努力重ね職場に居場所
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県社労士会参与 大谷祐三さん(58)

 きょうから新年度。高校や大学、専門学校を卒業した新社会人が新たな一歩を踏み出した。就職環境は近年、企業側が新卒の採用を積極的に行う「売り手市場」のため、入社まで順調に進むケースは多い。一方で新卒者の早期離職や離職率の高さも問題となっている。企業との関わりが深い県社会保険労務士会参与の大谷祐三さんは「辛抱してこそ一人前への道が開ける」とエールを送る。

   ◇   ◇   ◇  少子高齢化の影響や年功序列、終身雇用の崩壊により、若者の仕事への価値観は大きく変化した。ワークライフバランスを大切する人が増え、職場での地位や昇給、昇進よりも、家庭や子育て、趣味などを重視する傾向が強まっている。

 長時間労働やパワハラが社会問題となっている時代だけに、そうした働き方自体は間違っていないのかもしれない。ただし、就職した会社で一定の仕事を成し遂げるには確固とした意志と努力が必要なことは言うまでもない。何事も一人前になるには辛抱や我慢がいるし、地道な努力を重ねてこそ道が開けると肝に銘じたい。

 入社後3年での平均離職率は3割に及ぶ。退職理由を聞くと、一番多いのは人間関係だという。「自分は一生懸命やっているのに、周りが認めてくれないから辞める」という人も多いそうだが、それは自身のコミュニケーションの取り方に問題があるのではないか。自己表現をうまくすること、自分から心を開くこと、職場でのあいさつや掃除をしっかりすることなどで克服できる。素直で前向きに元気よく、物事をポジティブに捉え、「自分の居場所はここ」という覚悟をもって仕事に臨むことが大切だ。

 「会社がビジョンを与えてくれないのでやる気が出ない」とか「上司が話を聞いてくれない」とか、会社や上司のせいにする人もいるが、他者の欠点を挙げたらきりがない。頑張る理由を見つけて自分自身を奮い立たせてほしい。

 会社に入れば苦しい時の方が長いだろう。そんな時には無理に希望を持たなくてもいい。ささやかな毎日の習慣を丁寧に実行することで、きっと乗り越えられる。あまりに忙しくて耐えがたい時には頭で考えず、とにかく動くこと。思い描いていたよりも楽に済んでしまうことの方が多いはずだ。会社にとって「いなくてはならない存在」となれるように、日々努力を惜しまず頑張ってもらいたい。(取材・構成 藤井陸大)

 おおたに・ゆうぞう 拓殖大卒。大手鉄鋼メーカーに勤務後、社会保険労務士法人「大谷労務」設立。県社会保険労務士会参与。第25期委員。太田市

2018・4・1

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