《県内企業採用アンケート(下)》「売り手市場続く」9割 学生との接触に腐心
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 上毛新聞社が県内関連企業を対象にした2019年春の新卒採用計画アンケート(109社)で、企業の9割近くが学生有利の売り手市場がさらに強まるとみていることが分かった。採用担当者は、学生が大手企業に引き寄せられることに危機感を強め、合同説明会に複数回参加したり、学校に出向いてPRしたりと知恵を絞る。学生と接触する機会を増やし情報発信に力を入れる。

 19年春入社の就職市場の見通しを尋ねたところ、前年と比べて「学生から見て売り手市場」と回答したのは95社(87%)に上った。「変わらない」は12社(11%)で、企業が有利な「買い手市場」と答えた企業はゼロだった。

 売り手市場が続く現状に採用担当者は頭を悩ませる。「優秀と思われる学生ほど業界大手と競合する」(金融業)など、採用に積極的な大手企業の影響は県内企業にも及んでいる。「内定辞退が多く、採用予定に満たなかった」(卸・小売業)という企業もあった。

 学生との接触に腐心する卸・小売業のある企業は「合同企業説明会に参加しても前年のような人数が集まらなかったので、参加回数を増やした」という。

 人手不足感が強い業種は、より深刻な状況だ。サービス業の企業は「人気の職種ではないので応募者確保が大変」と嘆く。建設業の企業は「業種のイメージが悪い」、運輸業の企業は「業種的に学生が集まりにくい」とし、業界の魅力発信に苦慮する。

 一方、人材確保を目的に、企業が情報発信で実践したり検討したりしていること(複数回答)を尋ねたところ、全9項目のうち上位3項目は「合同企業説明会を積極的に活用」(84社)、「学校の進路担当者に売り込み」(57社)、「ホームページの充実」(51社)が占めた。学生の利用が多い会員制交流サイト(SNS)の活用は14社にとどまった。

 業種ごとに見てもほぼ同じ傾向がみられる。ただ業界全体で学生集めに苦戦しているサービス業は、「同業者で情報交換」(4社)が3番目に多い選択となった。

 インターンシップ(就業体験)の導入や会社説明会の回数を増やすなど、企業はあの手この手で学生との接点探しに躍起になっている。

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