2019/01/06【三山春秋】「上毛かるた」の読み札の資料を募集する告知が…
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 ▼「上毛かるた」の読み札の資料を募集する告知が上毛新聞に掲載されたのは、1947年1月のことだ。2カ月余りで272件が寄せられた

 ▼教育関係者や郷土史研究者らで構成する選衡(こう)委員会は検討にあたり、「史跡」など9種に分類した。このなかの「名物」のトップは「繭、生糸、養蚕」。3、4位が「伊勢崎銘仙」「桐生御召(おめし)」で、絹産業が多くを占めた(西片恭子さん著『上毛かるたのこころ-浦野匡彦の半生』)

 ▼日本の近代化を支えた輝かしい歴史をもつ群馬の絹産業は戦時体制下、衰退を余儀なくされた。しかし戦後すぐに国の蚕糸業復興計画が打ち出され、本県でもいち早く繭増産の動きが始まった。そんな時期に集まったかるたの素材から伝わるのは、荒廃から立ち直るために、何としても次代に継承したいという県民の願いだ

 ▼これをもとに「繭と生糸は日本一」「銘仙織出(おりだ)す伊勢崎市」「桐生は日本の機どころ」「日本で最初の富岡製糸」「県都前橋生 い糸(と)の市(まち)」などの読み札が作られた

 ▼県立日本絹の里の特別展「上毛かるたでめぐる絹文化」では、これらを含め、間接的に絹と関わりのある札にも光を当てている

 ▼短い言葉で本質を捉える表現とその数の多さに、改めて「絹の国群馬」の豊かさを実感させられた。かるたを通して絹文化への理解をさらに深めることができそうだ。

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