2019/02/02【三山春秋】手元にある『おとしよりからの…
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 ▼手元にある『おとしよりからの知恵袋1、2』(県発行)を時々読み返す。そのたびに、経験に裏打ちされた確かな教えを見つけ、はっとさせられる

 ▼今から40年ほど前、県内のお年寄りを対象に、「生活の知恵」を県が募集したところ、予想を大きく上回る反響があり、800人近くから2千件もの貴重な「知恵」が寄せられた。これらをまとめたのが同書である

 ▼衣食住全般にわたるなか、多くを占めたのは食べ物に関するアドバイスだ。「おはぎの作り方」「こげつきを取る」「鯉(こい)こくは番茶で」「餅の保存法」「食酢の効用」-などで、若い世代に伝えたいというおばあちゃん、おじいちゃんの強い思いが込められている

 ▼前橋市在住の木彫家、絵本作家の野村たかあきさん(69)が10年前から発表してきた行事食シリーズ絵本を紹介する「おばあちゃんのほっこりごはん」展(前橋文学館)で実感するのも、長く受け継がれてきた生活の知恵のかけがえのなさだ

 ▼絵本では、おばあちゃんが小学生の孫娘といっしょにおせち、おはぎ、ひなちらしなどを作りながら、食べ物と日々の暮らしにまつわる大事なことを教えていく

 ▼おばあちゃんのモデルは、野村さん自身のおばあちゃんだという。絵本の中の孫に掛けるやさしい言葉が心に響くのは、野村さんの記憶に 深く刻まれているからなのだろう。

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