2019/02/08【三山春秋】オレンジ色に染まる夕日を背に、凜と…
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 ▼オレンジ色に染まる夕日を背に、りんとしたたたずまいを見せている。多々良沼(館林市・邑楽町)で、シベリアからやって来たハクチョウがピークを迎えつつある

 ▼館林にいると、野鳥のさえずりを耳にすることが多い。多々良沼そばの彫刻の小径こみちの松林、茂林寺沼の湿原。取材の折に立ち寄ると、多様な生き物が暮らしていることを実感させられる

 ▼貴重な動植物のすみかでもある市内の沼について、市は文化庁の日本遺産に申請した。人が適度に手を入れて守ってきた里山のように、沼を「里沼」という新たな概念で捉え、「沼辺文化」を発信していくという

 ▼利根川と渡良瀬川に挟まれた地域にある館林には城沼をはじめ多くの沼がある。漁業や農業などの産業が発達、自然の要害としても活用され、暮らしや文化、歴史と密接に関わってきた。全国的に沼が減りつつある中、日本遺産に求められる「そこにしかない」という独自性はありそうだ

 ▼板倉町と進めていた合併協議は3年程度の休止が決まった。今後はそれぞれが目指すまちづくりを進めることになる。須藤和臣市長は「相手が合併したくなるよう魅力を高めていく」と話す

 ▼ハクチョウは春になれば北へと帰り、また来冬、この地で過ごす。鳥たちのように、人々が再び戻ってきたくなるまちをつくれるか、その手腕が問われる。

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