2019/02/13【三山春秋】「ワシも族」。ある講演で聞いた…
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 ▼「ワシも族」。ある講演で聞いた言葉だ。妻が買い物や旅行に行くとき、「ワシも行く」「ワシも連れてってくれ」と付いていく夫のことだという。現役を退いた後に見られる光景らしい

 ▼何度払っても落ちない葉のように妻べったりの夫を揶揄やゆし、1989年の新語・流行語大賞を授賞した「落ち葉」とほぼ同義で使われる。ワシも族は90年代には登場していた。若い頃はおそらく気に留めなかったのだろうが、妙に気になった

 ▼昨年公開の映画「終わった人」も講演で紹介された。予告編などによれば、仕事一筋だった主人公は定年後、〈夢なし、趣味なし、仕事なし。そして、わが家に居場所なし〉になったという

 ▼講演したのは『妻の病気の9割は夫がつくる』などの著書があり、「夫源病」の名付け親で医師の石蔵文信さん。「男性には大変つらい話になる」と笑いまじりに断り、夫への愛情の有無など男性には耳の痛いデータを紹介しながら話を進めた

 ▼「あなたは妻を対等な一個人として見ていますか」「定年前から第二の人生を考えましょう」「料理など家事を覚えて自立してください」などと呼び掛けた

 ▼笑って聞いた後、少々気になった。講演のテーマは「定年後の夫婦関係をよくするコツ」。筆者は妻から講演会を勧められた。先んじて「ワシも族はごめん」との宣告かしら。

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