2019/03/28【三山春秋】第33回高崎映画祭が先週から…
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 ▼第33回高崎映画祭が先週から始まった。これに合わせて開かれている「映画のまち高崎展」(高崎シティギャラリー)で、1枚のポスターに引き付けられた

 ▼1987年から始まった同映画祭の第1回の時のものだ。梱包こんぽうされた映画のフィルム缶が中央に配された力強いデザインから、運営の中核となった茂木正男さん(故人)ら関わった人たちの高い志、熱い思いが伝わってきた

 ▼この記念すべき年の最優秀作品賞・監督賞に選ばれたのは、大林宣彦監督だった。以後も第6回で同賞、29回では最優秀作品賞・特別大賞を受賞。映画祭とは深いつながりをもち、さまざまな形でスタッフを応援してくれてきた

 ▼その大林監督の「花筐/HANAGATAMI」が今回、2度目の特別大賞に選ばれた。戦禍の中に生きる若者たちを描いた作品で、3年前のクランクイン前日に肺がんで余命宣告を受けながら製作し、完成させたという

 ▼授賞式で車いすに乗って舞台に上がった81歳の大林監督は、力を込めて次のように述べた。「戦争を記憶している世代が、戦争はだめだと伝えていかなければならない」「映画には未来を変える力がある。あと30年は作る」と

 ▼そこにあるのは、尽きることのない映画への情熱であり、市民の力で発展してきた「映画のまち」への励ましの言葉とも受け止めた。

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