2019/04/23【三山春秋】寒の戻りがあったせいか、今年は...
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 ▼寒の戻りがあったせいか、今年は高崎市中心街にある城公園のサクラが長持ちし、存分に楽しませてくれた。統一地方選の県議選、市議選で近くを遊説した候補者には癒やしのひとときになっただろう

 ▼明治維新まで高崎城の主だった家系を継いだ大河内輝耕きこう(1880~1955年)は貴族院議員となり帝国議会に議席を得た。戦時中の翼賛体制にも臆さない、反骨の論客で知られた

 ▼〈少シ何カ政府ノ批判ヲスルト、何ノ理由モナク止メラレテシマッテ居ル、是等これらじつに今まで無イコトダト思フ〉(43年2月『議事速記録』)。議場では歯にきぬ着せぬ物言いで当時の首相、東条英機に迫った。45年3月の東京大空襲直後の議会でも、政府の人命対応を批判している
 
 ▼最後の高崎藩主となった父、輝声てるな(1848~82年)は中国や朝鮮の文化人と漢文による筆談で交流したような人だった。輝耕の能弁は親譲りか

 ▼妻は最後の将軍、徳川慶喜の娘。特権で議席を得た身ながら、終戦後は華族制度廃止の立場に立った。旧体制の名残に育まれたことがかえって理念を醸成し、先進的な主張につながったようだ

 ▼輝耕が議席から遠ざかって70年余り。統一選をみれば、地方の政治や議会に対する無関心は広がっている。この流れを止めることは地方議員の役割だ。輝耕のような直言で議会を活性化したい。

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