2019/04/26【三山春秋】自虐ネタ満載でヒット中の映画「翔…
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 ▼自虐ネタ満載でヒット中の映画「んで埼玉」に続き、また埼玉県が脚光を浴びている。深谷市出身の実業家、渋沢栄一が新1万円札の肖像画に選ばれたためだ。ネギ畑が広がるのどかな地に観光客が押し寄せている

 ▼同市の渋沢栄一記念館には新紙幣の発表から2週間で4756人が来館した。昨年度の入館者数が約1万6000人だったことを考えると、影響の大きさが分かる

 ▼世界文化遺産、田島弥平旧宅がある伊勢崎市境島村にも“渋沢フィーバー”の熱は伝わる。渋沢は島村と縁が深く、生家や記念館の場所は目と鼻の先である。以前から記念館と誘客で連携している弥平旧宅案内所は「10連休に期待している」と話す。好機を最大限生かしたい

 ▼新紙幣発表を受けた記者会見で、渋沢に対する地元の人たちの熱い思いを知った。尊敬と親しみを込めて「栄一翁」と呼び、誕生日と命日には渋沢が好んだ郷土食「煮ぼうと」を振る舞う

 ▼渋沢を紙幣にしようと、住民グループは15年ほど前にオリジナルの10万円札を作った。九州や大阪でも配り「半分笑われた」。地道な活動が実り、同じように地元の偉人を顕彰する人たちの励みになっただろう

 ▼「栄一翁が何をしたのか、一人でも多くの人に知ってほしい」。深谷市の小島進市長は胸を弾ませる。肖像画採用はゴールではなくスタートだ。

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