2019/04/28【三山春秋】気候が良くなると、前橋郊外の...
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 ▼気候が良くなると、前橋郊外の敷島公園を訪れる機会が増える。2700本もの松が茂る園内を歩いているだけで、気持ちが安らいでいる

 ▼〈自然の風致を破壊せぬ方針の下に芸術的に公園化せんとする〉。90年前の上毛新聞(1929年4月7日付)に、敷島公園の改良設計の基本方針が紹介されていた。設計の責任者は日比谷公園、明治神宮外苑などを設計し、日本の「公園の父」と呼ばれた本多静六(1866~1952年)である

 ▼この地域は利根川に近く、敷島河原、小出河原と呼ばれた古くからの景勝地。大正期に前橋市が国から払い下げを受けて公園とすることを決め、昭和初め、本格的な整備計画を当時の第一人者に依頼したのだった

 ▼本多が最も重きを置いたのは、この地の自然の象徴とも言える松林を保全し、赤城山、榛名山などの眺望を生かした公園づくりである。園内の居心地の良さは、本多の設計理念が、今も生かされているからだろう

 ▼前橋市は本年度、「市景観資産登録制度」を設ける。良好な景観を形成する 建物や樹木などを登録することにより、その魅力を 発信するのが狙いだという

 ▼敷島公園の松林は、そうした前橋の景観資産の代表例である。成り立ちとともに、自然、歴史、芸術、文化を大切にする時代ごとの取り組みが、より広く知られるといい。

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