2019/06/07【三山春秋】「想定外」という説明に戸惑った人…
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 ▼「想定外」という説明に戸惑った人が多いのではないか。横浜市の新交通システム「金沢シーサイドライン」の新杉田駅で自動運転の車両が逆走し14人がけがを負った事故である

 ▼想定されていない逆走時は、自動でブレーキがかかる仕組みがないという(3日付本紙)。システムトラブルによる事故は1989年の開業以来、初めてのことだ

 ▼国の運輸安全委員会は、車両側のモーター制御系統に何らかの不具合があったと見て調べている。運営会社は運転士による手動運転で運行を再開したが、自動運転システムの信頼性が問われる事態であり、原因究明が急務である

 ▼前橋市出身の反核科学者、高木仁三郎さん(1938~2000年)は今から30年前、シーサイドライン開業と同じ年に出版した『巨大事故の時代』(弘文堂刊)で、最先端・巨大システムのもと、事故は起こるものなのだと、多くの実例を挙げて指摘している

 ▼〈現代のシステムは、きわめて精巧にゆるみなく作られているように見えて、いや、そうだからこそ(略)大破綻をきたす可能性を内に秘めている〉とし、これを冷厳な事実として受け止め、諸技術と向き合うべきだと主張する

 ▼〈大破綻〉を防ぐために、新しい技術の安全性をどうとらえたらいいのか。今回の事故は、そんな根本的な問題を私たちに突き付けている。

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