2019/07/04【三山春秋】継承のためにどれほど多くの人たちが...
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 ▼継承のためにどれほど多くの人たちが知恵を出し合い、汗を流してきたことだろう。昨年11月、渋川市赤城町の「上三原田の歌舞伎舞台」(国重要有形民俗文化財)で行われた回り舞台などの操作訓練を見て、背筋が伸びる思いがした

 ▼1819(文政2)年に創建されて200年を迎える。これに合わせて昨年のプレイベントに続き、今年は本番の「200年祭」として市内の地芝居継承団体による歌舞伎上演などが11月に予定される

 ▼先月末からは、地元住民でつくる上三原田歌舞伎舞台操作継承委員会が、桟敷席(屋根付き観客席)の造営作業を始めた。舞台とともに引き継がれてきたこれらの技術のかけがえのなさを実感する

 ▼高齢化に伴う後継者不足や資金難などで存続が危ぶまれる時期もあった。しかし、伝統を途切れさせまいという住民の強い熱意で乗り越えてきた

 ▼そんな事例の一方で、県内の伝統文化を取り巻く状況は厳しさを増している。県教育文化事業団がまとめた調査報告書によると、昨年度までの5年間で民俗芸能67件、祭り・行事43件が廃絶あるいは中絶したという

 ▼減少が目立つのは少子高齢化が進む地域だが、事業団の支援などで復活したケースもある。上三原田歌舞伎舞台の記念事業が、危機にひんする伝統文化継承の機運をより高めるきっかけになればと願う。

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