2019/07/07【三山春秋】「名城」とはどんな城なのか。群馬…
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 ▼「名城」とはどんな城なのか。群馬県の城郭研究の第一人者、山崎はじめさん(1906~90年)は、その条件を〈戦略的に築かれ、構造の優越と目覚ましい歴史とを誇る城でなければならない〉と規定している(『群馬県古城塁址の研究』)

 ▼高崎市に生まれ、旧満州などで従軍、抑留を経験して帰国。故郷の古城跡の荒廃を目にし、先人の創造したものを尊重する心が忘れられてしまったと落胆した。これがきっかけとなり〈せめて記録だけでも〉と県内全域の古城跡を丹念に踏査し、大きな成果を残した

 ▼名城のとらえ方には、そんな古城への深い愛着と理解が基本にあったことが分かる。山崎さんはさらに、どれほど豪壮な造りでも、戦術的価値に乏しく、史話も語られていないものは〈決して名城とは言い難い〉と強調した

 ▼国の文化審議会が先月、国史跡に指定するよう答申した東吾妻町の「岩櫃城跡」は、まさにその条件を備えた城である。岩山の中腹に築かれた山城で、戦国時代、武田勢の真田氏、斎藤氏などが激しい攻防を繰り広げた

 ▼保存状態は良く、武田、真田両氏の地域支配、群馬の戦国史を知るうえで貴重な史跡と評価された。県内の国史跡城跡は金山城跡、箕輪城跡に続き3件目

 ▼朗報を祝すとともに、後進の研究に欠かせない「記録」に全力を傾けた山崎さんの功績をたたえたい。

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