2019/08/18【三山春秋】古くから製糸業で栄えた…
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 ▼古くから製糸業で栄えた長野県岡谷市の蚕糸資料を収集・保存し展示する「市立岡谷蚕糸博物館」が、開設から半世紀を経て移設、リニューアルオープンしたのは2014年8月だ

 ▼この時、驚かされたのは、操業している製糸工場を館内に併設したことだった。同市で開発された諏訪式繰糸機をはじめ、上州式繰糸機、最新の自動繰糸機などが稼働し、商品となる糸を引く作業工程を来場者に見てもらうという例のない「動態展示」である

 ▼本県とともに、明治から昭和にかけて日本の蚕糸業の中核を担い続けた糸都岡谷だからこそ生まれた発想と言えるだろう

 ▼あれから5年。記念事業として、国際的に活躍するファッションデザイナー、桂由美さんの作品を集めた「シルクの魅力とブライダルファッション展」が開かれている

 ▼シルクを素材にしたウエディングドレスが並び、本県の中之条町の養蚕農家が育てた天蚕で作ったドレス、富岡市産の繭を使った「花まゆ」の髪飾りも展示されている。桂さんは絹文化を大事にしてきた岡谷のためならばと開催を快諾したという

 ▼「富岡製糸場と絹産業遺産群」も世界文化遺産登録から5年たった。来春にはガイダンス施設「世界遺産センター」ができる。持続可能な保全・活用に向けて何が必要なのか。岡谷の遺産に向かう姿勢に学ぶものは多い。

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