2019/08/23【三山春秋】関西に住む人が、間違いなく「群馬」…
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ▼関西に住む人が、間違いなく「群馬」と分かるコンテンツを挙げるとしたら何か。尾瀬は栃木と混同する人がいる。鉄道ファンなら「峠の釜めし」はどうか。群馬交響楽団は名前からも確実に認識できる。関西に居住経験のある知人とそんな話をした

 ▼20年以上前、都内の下宿先の大家さんに「群馬には群響があるわね」と言われ、誇らしかった。草創期を描いた映画「ここに泉あり」(1955年)の効果もあっただろう

 ▼群響の定期演奏会で曲目解説を務める音楽評論家の渡辺和彦さんによると、在京オーケストラに比べ、群響の定演は若い来場者が多いという。「全世代が足を運んでいるのは移動音楽教室の成果」と分析する

 ▼ただ、移動音楽教室が活動の半分以上を占める群響は他のオーケストラに比べ、稼働日数が多い。6月下旬に開かれた群響の評議員会では団員の「働き方」が話題に上った。少子化で児童生徒が減少する中、移動音楽教室の対象を保護者や地域住民に広げるべきだという声もあった

 ▼70年以上の歴史を刻めたのは群馬県の文化の豊かさの証し。新たな本拠地、高崎芸術劇場が来月開館するのを機に、群響が存在する価値を改めて確認したい

 ▼時代に合った改革を進めるには県民の理解が欠かせない。未来の子どもたちも「群馬には群響がある」と胸を張って言えるといい。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事