2019/09/11【三山春秋】関東に上陸した台風15号が群馬…
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 ▼関東に上陸した台風15号が群馬県から遠ざかった9日に車で渋川市へ向かった。同日はJR東日本の在来線が始発から「計画運休」となり、277万人超に影響したほか、3人が死亡するなど被害が相次いだ

 ▼県内は休校や停電などで生活が乱れたが、人的被害や大規模な土砂災害などはなかった。「群馬は災害が少ない」といった安全神話が頭に浮かびかけた。車を走らせたのは、そんな考えの戒めにしようと思ったからだ

 ▼赤城山の西麓に位置する同市赤城町長井小川田の県道沿いに目的地とした慰霊碑はあった。赤城山大沼を水源とする沼尾川がすぐ脇を流れる。1947年、カスリーン台風に刺激された前線によって猛烈な雨が降り、沼尾川などで発生した土石流が集落を襲った

 ▼慰霊碑は79年にできた。カスリーン台風を〈通り魔のように襲来した〉と表現し、暴風被害よりも豪雨による〈山津波〉の被害が県内で大部分だったと伝える。県内で592人が亡くなっている

 ▼戦中の乱伐で山の保水力が衰えていたことも被害を広げた一因とされる。砂防技術も当時と現在では比較にならないだろう。ただ、慰霊碑の前に立つと、「災害を忘れるな。災害は起こりうる。備えよ」と訴えかけられた気がした

 ▼カスリーン台風がマリアナ諸島付近で確認されたのは72年前の今日11日のことである。

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