2019/09/13【三山春秋】高校時代に父から一冊の本を...
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 ▼高校時代に父から一冊の本を受け取った。口に絵筆をくわえ身近な草花を描く詩画作家、星野富弘さんの「愛、深き淵より。」だった。一読し、人が生きるということはなんと大変なことかと思った

 ▼先月、太田市で富弘美術館(みどり市)の聖生清重館長が「感動は生きる力」をテーマに講演した。富弘さんと幼なじみであり、思い出話を交えながら命の大切さについて語った

 ▼運動が得意で中学の体育教師となった富弘さんだが、大けがをして首から下が動かなくなった。自殺も考えた。絶食を試みたり、舌をかみ切ろうとしたりした。だがドラマのようにはいかなかった

 ▼いつしか富弘さんは残された首から上の機能で表現することに喜びを見いだした。その作品は多くの人を感動させ、癒やすようになった。富弘さんの努力もさることながら、文字通り手足となった母親をはじめ、人と人とのつながりが支えになったという

 ▼10~16日は国の自殺予防週間、9月は県の自殺予防月間である。一時期よりは減少したが、依然として全国で年間2万人を超える人が自殺によって亡くなっている

 ▼周りの人に話しづらければLINE、チャット、電話で悩みを受け止める相談窓口がある。「つらい」「苦しい」「助けて」―。一言でも発すれば応えてくれる専門家がいる。覚えておいてほしい。

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