2019/09/15【三山春秋】「民間の力でこれだけの展示を続け…
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 ▼「民間の力でこれだけの展示を続けられるのはすごい。戦争の悲惨さを伝えなければという強い熱意を感じた」。3年前、前橋市住吉町2丁目の「あたご歴史資料館」を視察した新潟県長岡市の長岡戦災資料館のボランティアや職員がそうたたえた

 ▼長岡空襲の惨禍を伝承するため2003年に長岡市が開設した同館の関係者にとっても、住民により運営される前橋の資料館の充実ぶりは驚きだったようだ

 ▼そんな、県外からも注目されてきたあたご歴史資料館が来年3月で閉館する。住民の高齢化や財源不足のためだという。果たしてきた役割の大きさを思うと、何とも残念だ

 ▼前橋の歴史、文化を次世代に伝えようと地元自治会が市の建物を無償で借りて開館したのは2012年。前橋空襲の甚大な被害を伝える貴重な資料を軸に、戦前から戦後の復興に至るまでの写真、生活用品などが集められた

 ▼多くは地元の人たちに提供してもらったものだ。一つ一つに激動の時代を生きた先人の思いが刻まれており、訪れるたびにその重さを実感した。さまざまな困難を乗り越え発信を続けてきた自治会に感謝したい

 ▼展示資料は市が管理を引き継ぐという。資料館の蓄積とその精神を継承していくために、戦災や蚕糸業関連資料などを展示する施設の整備を、本腰を入れて検討すべきではないか。

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