2019/09/21【三山春秋】運動会シーズンに入り、校庭が...
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 ▼運動会シーズンに入り、校庭がにぎやかな学校も多いだろう。子どもたちのラジオ体操を見るだけで、なぜか目頭が熱くなってしまう

 ▼〈アリは/あんまり 小さいので/からだは ないように見える//いのちだけが はだかで きらきらと/はたらいているように見える(後略)〉。まど・みちおさんの詩「アリ」を読んで、きらきらとした子どもたちの姿が思い浮かんだ
 
 ▼まどさんの詩はやさしい言葉で語っているのに深い。詩人で上毛ジュニア詩壇選者の大橋政人さんはその作品を読み解き、エッセー集『まど・みちおという詩人の正体』にまとめた

 ▼“不思議がり”で、動物や植物をじっと見つめたまどさん。「どんな小さな虫にも命があって、命はとても大切で―」という文脈で読むべきではない、と大橋さんは指摘した

 ▼体があるのか、命があるのか分からないような光景。その激しさを「アリ」という詩はうたっているのだという。まどさんを「神秘主義詩人」と呼ぶ大橋さんも、身近なものを見つめ、存在の不思議や人間が生きる意味を問い続けてきた

 ▼情報があふれ、変化の目まぐるしい現代は、じっくり見たり、考えたりするのが難しい。大人も子どもも、もっと不思議がっていい。見つめ、考えれば、世界は違って見える。詩の言葉は世界の見方を変えるヒントをくれる。

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