2019/10/09【三山春秋】シンガポールのマーライオン...
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 ▼シンガポールのマーライオン、デンマークの人魚姫像、ベルギーの小便小僧。これらの名前を聞いてぴんと来た人もいるはずだ。いつの頃からか「世界三大がっかり」と評されるようになった観光名所である

 ▼不名誉な称号だが、裏を返せばそれだけ訪れる人の期待が高いといえる。有名な場所であるほど感動を求め、ハードルは上がる。誰もがSNSなどで発信できる時代だけに、その「感想」は無視できない

 ▼新一万円札の顔として一躍脚光を浴びている渋沢栄一の出身地、埼玉県深谷市も、そんなことを意識したのだろうか。渋沢のアンドロイドを2体作り、市内の渋沢栄一記念館と旧渋沢邸「中の家(なかんち)」に設置するという

 ▼同市出身でドトールコーヒー名誉会長の鳥羽博道さんが発案した。「生家や記念館を訪れただけでは、観光客は物足りなさを感じるだろう。感銘を与えるような何かがあればいいと思った」

 ▼アンドロイドは単なる見せ物ではない。“先輩”の夏目漱石アンドロイドが漱石の小説を読み聞かせると、子どもたちはとても真剣に耳を傾けるという

 ▼再来年には渋沢が主人公のNHK大河ドラマが放映される。今後も増加が見込まれる観光客に、そして次世代の子どもたちに“本人”の口から語ってもらい、渋沢の精神や生き方を伝える。大役を担う2体のロボットである。

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