2019/11/08【三山春秋】先月、マラソン界に東京五輪の...
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 ▼先月、マラソン界に東京五輪のドタバタとは別の大ニュースが駆け巡った。世界記録保持者のエリウド・キプチョゲ(ケニア)による史上初の2時間切りだ。非公認記録ながら人類には不可能とされた壁を越え、「人間に限界はない、と多くの人に伝えたい」と語った

 ▼NHK大河ドラマ「いだてん」の主人公、金栗四三(1891~1983年)が持つ最遅記録も劇的だ。12年ストックホルム五輪で暑さから体調を崩した四三は、必要な手続きをせずに途中棄権し行方不明扱いに

 ▼だが、67年の大会55周年式典に主催者の計らいで招かれ、ゴールテープを切る。アナウンスは「日本の金栗、ただ今ゴールイン。タイム54年と8カ月6日5時間32分20秒3」だった

 ▼限界と向き合うマラソンには、トップ選手も市民ランナーもそれぞれドラマがある。11月3日のぐんまマラソンでは顔をゆがめ、足を引きずり、それでも前に進む姿に胸が熱くなった

 ▼フル初完走を目指す「180日プロジェクト」からは29人が走った。ジョギング経験さえほとんどない人もいたが、専門家の指導を受け、励まし合い練習を重ねた。結果に差はあれ、自らの壁に挑んだ表情は晴れやかだった

 ▼来年は30回記念大会。マラソンは確実に苦しい。だからやりがいがある。自分だけのドラマを求めてチャレンジしてはどうだろう。

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