2019/11/09【三山春秋】気が付けば紅葉前線が平野部に...
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 ▼気が付けば紅葉前線が平野部に近づいてきた。この時季になると、わが家の庭は近くにあるケヤキの大木の落ち葉に覆われる。風が強い日は時雨のように降り注ぎ、掃除に追われる

 ▼昨日は立冬。暦の上では冬の始まりである。つい1カ月ほど前に前橋で最高気温が30度以上の真夏日になり、その後は台風で大きな被害が出るなど雨の日が多かった。秋らしさを実感する間もなく季節が巡っていくようだ

 ▼日本の文学は季節感を大切にしてきた。俳人、夏井いつきさんの『絶滅寸前季語辞典』(ちくま文庫)をめくっていたら、初冬の局地的な通り雨である時雨に関連して「液雨」と「涙の時雨」が紹介されていた

 ▼語感が美しく、俳人たちに愛され名句も多い時雨だが、「涙の時雨」については〈どうみても演歌の一節だろ〉とにべもない。ただこんな例句が関心を引く。〈涙の時雨事業仕分けの今佳境〉内藤大切

 ▼ちょうど10年前、誕生したばかりの民主党政権が手掛けた事業仕分けは注目の的だった。安倍政権でも有識者が公開点検する「秋のレビュー」が引き継がれ、今年は11日に始まる

 ▼季節感の異変には気候変動が影響していよう。温暖化対策は全世界で取り組むべき課題だが、トランプ米大統領はパリ協定離脱を通告した。地球が発する悲鳴に耳を傾けないと取り返しがつかなくなる。

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