2019/12/07【三山春秋】群馬県の伝統工芸品といえば、...
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 ▼群馬県の伝統工芸品といえば、年明けに向け生産がピークを迎えている「だるま」が思い浮かぶが、個性豊かな意匠が特長の「創作こけし」も全国一の産地であることをご存じだろうか。周辺に工房が集まる渋川市によると、シェア9割と圧倒的な存在感を誇る

 ▼素朴な東北地方の伝統こけしに対し、群馬県では自由な発想を生かした創作こけしが制作されてきた。戦後の観光ブームで土産品需要が急増し、全国各地に群馬産こけしが行き渡ったという

 ▼ただ「作れば売れる」時代は過ぎた。貴重な地場特産品の発信力強化に向け、同市は本年度から新たな取り組みを始めている

 ▼伊香保温泉への玄関口である「渋川駅前プラザ」の2階には要望が強かった常設展示場が設けられた。高崎だるまのように、「渋川といえば創作こけし」のイメージを観光客にPRし、まんじゅうに並ぶ土産品として定番化させたい

 ▼後継者不足対策としては、各工房で修業できる地域おこし協力隊員を委嘱。地域の作家が連携して、志を継ぐ次世代を育成していく

 ▼「絵画や陶芸などに比べて歴史は浅い。美術工芸品として認めてもらうには、いい作品を作り続けることが条件になる」。渋川を拠点に業界をけん引し、昨年他界した関口三作さんは、技術継承の大切さを訴えていた。産地の取り組みの行方が注目される。

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