2020/01/20【三山春秋】〈春はあけぼの〉の書き出しで...
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 ▼〈春はあけぼの〉の書き出しで知られる『枕草子』は季節ごとに趣のある時間や情景を挙げていく。夏、秋ときて〈冬はつとめて〉と続く

 ▼〈つとめて〉は早朝の意。最も寒さを実感する朝の早い時間に冬の良さを見いだす。雪が降っているのは言うまでもなく、霜が大変白いのも、などと冬に似つかわしい様子を描く。その清少納言も、今年の冬には戸惑うのではないだろうか

 ▼暖冬のことである。前橋で初霜を観測したのは今月16日。平年より61日遅れで、最も遅い記録だという。影響はレジャーなどに及ぶ。スキー場は雪不足に頭を悩ませ、湖に十分に氷が張らずワカサギの穴釣りは遅れている

 ▼経済にも不安材料だ。先週、前橋で講演した三菱UFJリサーチ&コンサルティング主席研究員の小林真一郎さんは、消費増税後の個人消費について持ち直しつつあると指摘しながらも、暖冬の影響が冷や水を浴びせる可能性があるとした

 ▼もちろんマイナスばかりでなく、中には恩恵もあろう。寒いのは苦手なので暖かいのは大歓迎という人もいるかもしれない。だが、山間部の積雪が夏場の水不足を招き、五輪に影響することもありうる。やはり、冬は冬らしくが望ましいように思う

 ▼今日は大寒。一年で最も寒い時季が半月ほど続く。清少納言を納得させる「つとめて」は到来するだろうか。

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