2020/02/14【三山春秋】都内の高校で同級生だった…
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 ▼都内の高校で同級生だった森田洋之医師(48)が高崎市で講演すると知り、足を運んだ。高齢化率50%超と全国の市で最も高い北海道夕張市で、財政破綻後の地域医療に従事した経験談は示唆に富んでいた

 ▼中核病院の病床が171から19に減り、救急搬送の時間は2倍になったが、死亡率は変わらなかった。救急出動は半減し、老衰が死因の人が急増して特養でのみとり率は100%に。モニターに映し出された、自宅や施設で最期を迎える人の生き生きとした表情が印象的だった

 ▼財政破綻で起きたのは医療崩壊でなく再構築だった。もちろん訪問型の診療、看護、介護の体制整備が前提だが、「夕張市民の意識の変化が大きい」と強調していた

 ▼医療提供体制の縮小への不安は大きい。厚生労働省が昨秋、再編・統合の議論が必要な公的病院を公表したところ反発が相次ぎ、“地方行脚”して関係者に説明する事態となった。県内でも4病院が対象となり混乱が生じた

 ▼病院の統合・再編は膨張を続ける医療費の抑制が狙い。政府は病床を減らし、リハビリ向けの「回復期」病床を増やす方針だ

 ▼「地域の絆と市民の意識改革、生活を支える医療がそろえば病院がなくても幸せに暮らせる」と訴える森田医師。高齢化は急ピッチで進む。医療の在り方について当事者意識を持って考えたい。

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