2020/02/21【三山春秋】午前3時半、大泉町坂田の...
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 ▼午前3時半、大泉町坂田の軽食店「ド・パウロ」に明かりがともる。立春は過ぎたとはいえまだ肌寒い調理場。Tシャツ姿で森本パウロ・カツトシさん(73)は開店準備を始める

 ▼常連客のブラジル人たちは午前5時前にここを出発し、車で1時間ほどかかる埼玉県の自動車部品工場へ向かう。店の前の県道を人材派遣会社の送迎用ワゴンが次々と通過し、時に止まる。夜勤明け、ディスコ帰り、早朝の店にはさまざまな客が立ち寄る

 ▼パウロさんは17年余り、愛知県豊橋市の自動車部品工場で働いた。一時ブラジルに帰国したが、13年前に長男が暮らす大泉町にやって来て、念願の軽食店を構えた

 ▼店内のモニターにはブラジルのニュースが流れる。店の切り盛りには家族が協力。アルバイトも雇い、店は10年目を迎えた。「日本にないブラジルの味が楽しめる店」がモットーだ

 ▼自慢のメニューは、牛アキレスけんとキャッサバのスープ。この味を求め、沖縄からやってきた女性もいた。愛知、静岡、長野に住む同胞にもファンが多い

 ▼県道沿いではペルー人の日系2世、儀間緑さん(52)が朝から軽食店「ラ・ペルアニタ」を開く。「この町に暮らす外国人のために母国の味を届けたい」とほほ笑む。大泉町には47カ国7997人の外国人がいる。日本人が思いつかないビジネスチャンスがある。

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