2020/03/15【三山春秋】スペインのプラド美術館に「死の…
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 ▼スペインのプラド美術館に「死の勝利」という絵がある。海からは骸骨の姿をした軍勢が迫り、船は焼かれて逃げられない。王は命と財宝を奪われ、人々は立ち向かうが歯が立たず死んでいく

 ▼ルネサンス期の画家、ピーテル・ブリューゲルの作品。14世紀中頃に欧州を中心に大流行し、推計1億人の死者を出したとされるペストの猛威を描いた。富も権力もなすすべがなかった

 ▼世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス感染症について「パンデミック(世界的大流行)」と表明した。感染者は129の国・地域で14万人超。県内でも14日、新たに2人が確認され、感染者は5人となった

 ▼わずか2カ月半の間、状況は目まぐるしく変化した。「ステージが変わった」「新たな段階に入った」という言葉を何度聞いたろう。電車内ではつり革や手すりを持つ人が減り、せきをすると周囲が顔をしかめる

 ▼夏の東京五輪・パラリンピックにも暗雲が広がり始めた。政府は予定に変更はないとするが、欧州では感染拡大が進み、医療体制が十分でない国もある

 ▼そんななか、ギリシャのオリンピア遺跡で採火式が行われ、希望の火がともされた。聖火の日本到着は20日。桜のトーチが全国を駆け抜け、開会式の聖火台に火を届けられるか。国際オリンピック委員会(IOC)の判断が注目されている。

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