2020/03/18【三山春秋】裁判員を務めた男性の1人は判決…
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 ▼裁判員を務めた男性の1人は判決後の記者会見で「事件を機に優しさということを考えないと、同じような事件が起こるのでは」と話した。「これで終わりじゃない。社会でも考えてほしい」と願った遺族もいたという

 ▼相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害され、職員を含む26人が重軽傷を負った事件の裁判員裁判。横浜地裁は16日、殺人罪などに問われた元職員、植松聖被告に死刑判決を言い渡した

 ▼審理でも障害者への差別発言を繰り返した被告の動機の根底は十分に探られなかった。不十分な動機の解明に「残念な裁判になった」と不満を表す遺族もいた

 ▼被害者の大半が名前の代わりに「甲B」「乙A」などの記号で呼ばれ、審理が進められた。異例だが、遺族を心ない差別や偏見から守るためだった。だからこそ、「社会でも考えて」という言葉が重く響く

 ▼事件の起きた2016年の県小中学生新聞感想文コンクールで事件を取り上げた小学5年生の作品があった。〈私達一人一人を絵の具に例えてみてはどうでしょうか〉と提案している

 ▼障害者も持つ自分自身の色。社会という大きな画用紙に、たくさんの色があれば、いろいろな表現ができるなどと続ける。どんな色も排除されず、受け入れられる優しい社会へ。一人一人が考えていきたい。

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