2020/04/06【三山春秋】作家・村上春樹さんの短編小説...
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 ▼作家・村上春樹さんの短編小説「品川猿の告白」(文学界2月号)は「群馬県M*温泉」が舞台だ。小説やエッセーに本県が登場するのは初めて。読んだ瞬間、「水上温泉?」と驚いたが、裏付ける描写はなかった

 ▼村上さんは昨年、友人で編集者の都築響一さんと伊香保温泉を訪れている。都内から一般道をドライブして新潟県を目指したが、日が暮れて急きょ伊香保に宿泊。旅館探しに苦労した思い出を語っていた

 ▼あまり公の場に登場することはなかったが、最近はFMラジオ番組のパーソナリティーを務めたり、朗読会を開いたり活発に活動する。早稲田大に直筆原稿やレコード・コレクションを寄贈することも発表し、来年には記念ライブラリーが開館する予定

 ▼熊本地震では自ら支援を呼び掛けた。今年2月には活動報告のためのイベントを開催。浄財を夏目漱石旧居の修復費などに活用したことを報告した

 ▼筆者も大ファン。昨年12月に都内で開かれた朗読会に出掛け、本人による「品川猿の告白」の朗読を堪能した。会場にはノーベル賞を受賞した山中伸弥さんら著名人の姿もあり、夢のようなひとときを過ごした

 ▼23日に新作『猫を棄てる』が刊行される。確執があった父親の戦争体験や自身のルーツをつづったもので、村上文学の深層を解き明かす鍵が潜んでいるかもしれない。

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