2020/04/24【三山春秋】食品製造会社「エリー」を創業した…
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 ▼食品製造会社「エリー」を創業した梶栗隆弘さん(33)は、肉に代わる新たなタンパク質の時代が必ずやって来ると考えていた。大手食品メーカーの県内支店に勤務した後に退社し、今年1月、東京・表参道に蚕のさなぎが原料の「シルクフード」の店を開いた

 ▼日本の近代化を支え、群馬県が世界に誇る養蚕業だが、繭の生産量は減少が続く。次世代食品としてのシルクフードの可能性は明るい話題といえるだろう

 ▼ただ、生糸を生産する際に出る蚕のさなぎはこれまで副産物であり、コイの餌などとして安価で取引される脇役でしかなかった

 ▼未体験の味を知りたくて、ハンバーガーを食べてみた。およそ25匹分のさなぎを使うというパテはエビに似た香りがあり、牛肉や豚肉とは違う独特の風味。提供店舗が増えて普及が進めば、ファンが増える味だと感じた

 ▼残念ながら折からのコロナ禍により、店は当面休業する。抱える不安も大きいだろうが、梶栗さんは「コロナをきっかけに人々の行動は変わる」と前向きに受け止め、昆虫食のニーズが高まる未来の世界を思い描く

 ▼暑さに強い蚕やイネ、釣った時の引きが強いニジマスなど、県による品種改良技術の進歩は目覚ましい。副産物だったさなぎが主役に代わり、「食べておいしい」蚕の新品種が誕生する未来も近いのかもしれない。

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