2020/05/25【三山春秋】パリのルーブル美術館で…
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 ▼パリのルーブル美術館でレオナルド・ダビンチの「モナリザ」を見たことがある。「これが教科書に載っていたモナリザか」と思ったが、謎のほほ笑みを前に腕組みをして考えても、名画たるゆえんが分からなかった

 ▼「絵の前で腕組みをしているほとんどの人は、絵のことが何も分かっていない。腕組みは分かったようなふりをしているポーズに過ぎない」。美術家・森村泰昌さん(68)は言っている

 ▼森村さんは名画の主人公になり切って写真を撮るセルフ・ポートレート作品で知られる。だが、ここにたどり着くまでは山あり谷あり。描くのは大好きなのに、「そこそこ」しか描けない劣等生だった

 ▼思い着いたのが、自分が美術品になること。ゴッホの画集を見ながら絵の中にある帽子や服を粘土で作り、背景を描いた。自分の顔をメークして撮影。色を塗れない目だけはそのままだった

 ▼思いも寄らなかった作品は評判となり、森村さんは西洋の名画だけでなく、写楽の浮世絵や女優マリリン・モンローにもなり切った。作品は国内外の美術館に収蔵されている

 ▼ハラミュージアムアーク(渋川市)で7月5日まで、オランダの画家レンブラントが描いた自画像や肖像画になり切った作品を展示している。「光の魔術師」と呼ばれた巨匠の名作を精緻に再現した森村ワールドを体感できる。

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