2020/05/26【三山春秋】1732年、西日本を中心に冷夏と…
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 ▼1732年、西日本を中心に冷夏と害虫の大発生でコメが凶作となった。少なくとも1万2000人が餓死、250万人が飢えに苦しんだとされる享保の大飢饉ききんだ。江戸では疫病も流行し多くの死者が出た

 ▼8代将軍徳川吉宗は翌年、慰霊と悪病退散を祈って水神祭を行い、花火を打ち上げた。これが日本最初とされる隅田川花火大会の起源となる。今や日本を代表する夏の風物詩だが、新型コロナの影響で中止となった

 ▼夏の行事予定が次々と空白になっていく。東京五輪・パラリンピックを避けて日程を9月にずらしていた前橋花火大会や、いせさき花火大会が中止に。前橋七夕まつり、桐生八木節まつり、沼田まつりなど各地の夏祭りも開催を断念した

 ▼夜空に咲く大輪、きらびやかな七夕飾りや山車、軒を連ねる露店―。こんな夏の情景を心待ちにする人は老若男女を問わず多かろう。特に子どもにとって祭りの非日常性は鮮やかな思い出の一こまとなる

 ▼イベントに限らない。中学・高校総体、高校野球、吹奏楽コンクールなど青少年がスポーツ・文化活動の目標とする場も消えた。「耐える時」「将来の糧に」と頭では理解しても、空白の夏はあまりに切ない

 ▼子どもたちの「2020年夏」を、少しでも彩りあるものにする手だてはないだろうか。大人として出せる知恵はあるはずだ。

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