2020/06/17【三山春秋】高崎市の高台にある住宅を訪ね…
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 ▼高崎市の高台にある住宅を訪ねると、壁につるバラが伸び、庭にも色とりどりのバラが咲いていた。2005年に引っ越してから育て始めた。バラの専門誌で紹介されたこともあるという

 ▼すてきな庭に感心していたのだが、今年はあまり手を入れられなかったと、そのお宅の篠原礼子さんは言う。ともに栽培してきた夫、弘さんの闘病が理由。5月6日に63歳で亡くなった

 ▼「スケート王国嬬恋」の黎明れいめい期を引っ張った1人だった。後にナショナルチーム監督も務める入沢孝一さん(現高崎健康福祉大監督)が嬬恋西中に赴任した時の3年生。いわば「入沢学校1期生」だ

 ▼赴任直後、呼び掛けた朝練に来たのは篠原さんだけ。1人で続けるうち、他の部員も集まるようになった。入沢さんは「一言で言えばまじめ。率先垂範の努力家。彼が練習をするのでみんながついていった」としのぶ

 ▼スケート長距離の選手として嬬恋高から明治大に進み、卒業後は現在の県スポーツ協会に入り要職を務めた。苦しくても一定のペースでこつこつとラップを重ねる競技種目と同様の仕事ぶりだったらしい

 ▼庭のどこに、どんなバラがあるかリストを作っていた。色や花の時期、香りなど詳細に記す。その数116本。面会もままならなかったが、礼子さんが「バラが咲いたよ」と話した翌日に亡くなったという。

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