2020/07/27【三山春秋】高崎市の榛名神社は群馬県を代表...
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 ▼高崎市の榛名神社は群馬県を代表するパワースポットとして知られる。清流が参道沿いを走り、樹齢数百年の巨木が天を覆って光をさえぎる。野鳥のさえずりと川のせせらぎに包まれて歩くうちに、心身がすっかり洗われた気持ちになる

 ▼作家の高橋秀実さんはパワースポットの取材で真っ先にここを訪れた。岩肌を流れる「瓶子みすずの滝」や奇岩「御姿岩」を拝み、門前の土産物屋に勧められて梅まんじゅうを食べると、なぜか「いい予感」がしてきたという

 ▼1884(明治17)年、英国人建築家のジョサイア・コンドルも榛名神社を詣でている。親しかったベルツ博士に勧められたのだろう。伊香保から足を伸ばして神社を訪れ、巨岩が迫る双龍門のスケッチを残した

 ▼コンドルは工部大学校(後の東京大)教授を務め、政府関連の建物をたくさん手掛けた。鹿鳴館やニコライ堂が特に有名だろう。指導者としては東京駅の駅舎を設計した辰野金吾らを育てた

 ▼上州を訪れたのは8月17日からの3日間。高崎まで開通したばかりの汽車に乗り、駅では宮内省の御者がシルクハット姿で出迎えた

 ▼東京大が所蔵するコンドルの画帳には木暮武太夫旅館から眺めた子持山の風景や旅先で出会った人々の姿、水沢寺六角堂などの絵が残る。当時の異国人の目を通し、あらためて群馬県の魅力に気付かされた。

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