2020/07/29【三山春秋】「思いっきり歌いましょう」。100人を...
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 ▼「思いっきり歌いましょう」。100人を超える早稲田大ラグビー部員らに声を掛けた後、斎藤直人主将が歌い出し、全員が肩を組みながら続く。歌は『荒ぶる』。早稲田大が大学日本一になった時にだけ、歌うことができる

 ▼今年1月11日、新しくなった東京・国立競技場に響いた。前年12月の関東対抗戦で完敗していた宿敵・明治大を下し、11大会ぶりの『荒ぶる』だった

 ▼本来ならば、こちらも特別な歌になったであろう。高校野球で勝利した後、選手が高らかに歌う校歌のこと。全国高校野球選手権群馬大会に代わる県高校野球大会は録音の音声が流れるだけだ

 ▼新型コロナウイルス感染防止策の一環。観客を入れず試合を行うほか、小まめな消毒の徹底や円陣の自粛、素手でのハイタッチ・握手を控えるなど細心の注意を払う。長引く梅雨もあって「いつもの夏」と光景は少し異なっている

 ▼『荒ぶる』は大学日本一のメンバーではなく、その年の最上級生だけが卒業後、冠婚葬祭の際に歌うことが許されるという。裏方を含めて共に懸命な努力を重ねたことを大事にするからに違いない

 ▼球児が今年歌えなかった校歌。歌詞が伝える夢や希望、景色は卒業後もきっと糧になる。球児に限らず、やがて肩を組み「思いっきり」歌える日を信じて、今できる精いっぱいの高校生活を満喫しよう。

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